【新人必見】営業のコツは?営業心理学や話し方、商談の秘訣をご紹介!

営業という仕事は、企業の収益を生み出す重要な役割を担っています。本記事では、ベテラン営業マンが実践している商談のコツや、科学的に実証された心理学の知見、さらには地域密着型の営業手法まで、幅広い営業ノウハウをご紹介します。

営業マンの抱える課題

新人営業マンの多くが「アポイントが取れない」「商談が上手くいかない」といった悩みを抱えています。

  • どれだけ架電してもアポイントが取れない
  • 何を言っても顧客に響いている感じがしない
  • 市場や業界について勉強する暇がない
  • ノルマが厳しい

どれだけ架電してもアポイントが取れない

「今日も100件電話して、アポは1件も取れませんでした…」「どんなに丁寧に話しても、話を聞いてもらえません」このような悩みは営業マンに多く見られます。商品やサービスに自信があるのに、なかなか商談の機会すら得られない。熱意を持って取り組んでいるのに、成果が出ない。そんな状況が続くと、モチベーションが下がってしまいます。ノルマのプレッシャーもあり、メンタル面での不調を訴える営業マンも少なくありません。

何を言っても顧客に響いている感じがしない

商談の場で、丁寧に準備した提案資料を説明しても、顧客の反応が薄いことがあります。「御社の課題を解決できます」と熱心に説明しても、ただの相槌だけが返ってくる。そんな状況は営業マンにとって非常にストレスフルです。プレゼンテーションの時間が長くなればなるほど、空気は重くなり、両者にとって居心地の悪い時間となってしまいます。

市場や業界について勉強する暇がない

日本の営業職の平均残業時間は月45時間と言われています。特に企業の営業部門では、約35%の社員が月60時間以上の残業をしているというデータもあります。朝9時に出社し、夜8時に退社したとすると、通勤時間や食事時間を除くと、自己啓発に使える時間は1日2時間程度しかありません。この限られた時間の中で、市場動向や業界知識を深めることは容易ではありません。

ノルマが厳しい

営業職特有の課題として、数値目標の達成があります。月間売上1000万円、新規顧客獲得10社など、具体的な数値目標が設定されます。また、社内での競争を促すため、営業成績のランキングが公開されることも。このプレッシャーにより、休日出勤や深夜残業が常態化し、体調を崩したり、メンタルヘルスの問題を抱えたりする営業マンが増えています。 このような課題は、営業マン一人ひとりが抱えているものであり、組織全体で取り組むべき問題といえます。

新人営業マンが徹底するべき営業の基本

営業の仕事をし始めのときは、ノルマが厳しいことやアポが取れず、自分のことで精一杯になってしまうと思います。しかし、新人時代に身につけた基本的なスキルは、その後のキャリアを大きく左右します。まずはこれらの基本事項の習得に集中しましょう。

  • 顧客や業界を徹底リサーチする
  • 商品知識を高める
  • ヒアリングを行う
  • 定期的に顧客と連絡を取る
  • ロープレの実施

顧客や業界を徹底リサーチする

業界知識は、的確な提案と信頼関係構築の基礎となります。特に新人の段階では、顧客の業界について深く理解することが重要です。業界ニュースの定期購読やオンラインセミナーへの参加は、知識を効率的に吸収する有効な手段になります。

得におススメなのは以下の2メディアです。

  • 日経BP社の業界動向サイト
  • 業界専門のニュースメディア

上記は業界の最新動向だけでなく、各企業の詳細な分析や市場規模、将来予測まで掲載されており、最新トレンドなど、実務で使える具体的な知識が得られます。

また、顧客企業のプレスリリースや決算報告書にも目を通すことで、より具体的な課題や方向性を把握することができます。

商品知識を高める

自社商品の理解はもちろんのこと、競合他社の商品についても詳しく知ることが重要です。以下の2点は、必ず実行してください。

  • 他社商材の資料請求を行い、実際の営業プロセスを体験する
  • 他社の営業担当から商品説明を受け、提案手法を学ぶ

これにより、自社商品の強みや弱みを客観的に理解し、より説得力のある提案が可能になります。また、顧客からの競合他社に関する質問にも的確に答えられるようになります。

ヒアリングを行う

単にメリットを伝えるだけではなく、顧客の真の課題を引き出すヒアリングスキルが重要です。適切なヒアリングにより、以下の効果が期待できます。SPINなどを用いてヒアリングを行うと相手に危機感を訴求することができます。

  • 顧客が気づいていない潜在的なニーズの発見
  • 信頼関係の構築
  • 的確なソリューションの提案
  • 商談の成約率向上

ヒアリングを行うことで、顧客のニーズを見つけることができ、それに対する自社商品/サービスの訴求をすることができます。ニーズが見つからないまま商談をしてもただの商品説明だけで終わってしまい、危機感の訴求までできていないまま失注になる可能性が高いです。

定期的に顧客と連絡を取る

商談や契約後も、継続的なコミュニケーションが重要です。状況確認の電話や定期的なミーティングを通じて、以下のような取り組みを行いましょう。

  • 導入後の使用状況のヒアリング
  • 新たな課題やニーズの把握
  • 他社製品との比較検討のサポート
  • アフターフォローの実施

このような継続的な関係構築により、追加提案や他部署への展開、さらには他社への紹介につながることも多くあります。

ロープレの実施

ロールプレイング(ロープレ)とは、実際の商談を想定して行う練習のことです。新人のうちは特に、以下の点に注意して実施することが重要です。

  • 資料やスクリプトに頼らない対応力の養成
  • 想定外の質問への対応練習
  • 非言語コミュニケーションの改善
  • 商品知識の定着確認

会社で制度化されていない場合でも、上司や先輩に依頼して定期的に実施することをお勧めします。実践的なロープレを繰り返すことで、実際の商談での対応力が格段に向上します。

詳細については以下記事を参考にしてみてください。

上手い人が実践している営業のコツ|手法別

成果を上げている営業マンには、共通する特徴があります。それぞれの営業シーンにおける具体的なコツをご紹介します。手法については主に4種類あります。

  • 商談のコツ
  • 電話営業のコツ
  • 飛び込み営業のコツ
  • ルート営業のコツ

商談のコツ

商談のコツは主に5つポイントがあります。商談のコツが5つにまとめられる理由は、商談を円滑かつ効果的に進めるために重要な要素になるためです。自然に商談のコツを抑えるだけで相手があなたの話しを聞いてくれるキッカケに繋がります。

  • スライド順に説明しない
  • 他社商品を勧める
  • 自社商材のデメリットを伝える
  • 金額を聞かれてもすぐ答えない
  • 商談相手の年齢で内容を変える

上記5つは、商談の成功に不可欠な要素をカバーしており、どれも重要であるため、よくポイントとして挙げられます。

スライド順に説明しない

「こちらが弊社の会社概要で…」という一般的なプレゼンテーションは、顧客の興味を引きづらいものです。担当者に興味を持っていただいてアポイントを獲得したのにかかわらず、本題までの時間が長い・会社概要のみを最初に話されると飽きられてしまったり、ありがちなものに思われてしまいます。

代わりに以下のような進め方が効果的です。

「御社の人材採用について、特に課題に感じていらっしゃる点はございますか?」 「そうですね。最近は応募が少なくて…」 「実は、その課題に関して、すぐにご覧いただきたいスライドがございます。こちらをご覧ください」

このように、顧客の関心事から話を始め、それに沿ってスライドを提示することで、より深い商談が可能になります。

他社商品を勧める

信頼関係構築の観点から、時には他社製品を推奨することも有効です。他社商品を推奨することで、「この担当者は営業マンのメリットだけではなく自分や会社のことも考えているんだな」と感じてもらうことができます。

たとえば以下のように伝えてみるとよいでしょう。

「正直に申し上げますと、○○の用途であれば、B社の製品の方が御社に適している可能性があります。弊社製品は△△の点で優れているのですが、○○に関してはB社の方が強みを持っています。

ただ、□□の観点では弊社にもメリットがございますので、よろしければ比較検討させていただけますでしょうか?」

このような誠実なアプローチは、長期的な信頼関係構築につながります。

自社商材のデメリットを伝える

完璧な商品やサービスは存在しません。あえてデメリットを正直に伝えることで、かえって信頼を得ることができます。デメリットを正直に伝えることで、営業マンが誠実であることを示すことができ、顧客は「隠し事をしない」「本音を話してくれる」と感じることができます。

「弊社のシステムは、カスタマイズ性が高い反面、導入時の設定に時間がかかることが課題です。ただ、この点については弊社の専任スタッフが丁寧にサポートさせていただきますので、ご安心ください」

このような誠実さは、信頼の土台を築くために非常に効果的です。

金額を聞かれてもすぐ答えない

価格のみで判断されることを避けるため、以下のようなアプローチが効果的です。商品の価値が伝わらないまま金額を伝えてしまうと「費用対効果に合わない」「高い」と感じられてしまいます。

金額を聞かれた際には一度以下を伝えてましょう。

「価格については、御社の具体的なご要望をお伺いした上で、最適なプランをご提案させていただきたいと思います。まず、現状の課題について詳しくお聞かせいただけますでしょうか?」

商品の価値をきちんと伝え、相手に導入したい・使ってみたいと思わせることが重要です。タイミングをみて価格の話をしましょう。

商談相手の年齢で内容を変える

世代による価値観や経験の違いを考慮し、説明内容を調整することが重要です。年齢を考慮しない場合、相手が話しを聞く姿勢を作れないまま商談が始まってしまいます。年齢も考慮した上で、自社商品/サービスを伝えるとより興味を持ってもらいやすいでしょう。

項目40~50代以上20~30代
重視point安定性・実績革新性・効率
提案内容従来の課題解決新しい価値創造
説明方法丁寧な資料説明データ活用
コスト感投資対効果重視サブスク重視

40~50代の方は安定や実績を重視する傾向にあります。たとえば、「どれくらいの会社が既に導入しているの?」「商品・サービスを導入することでどれくらいの実績があるの?」など聞かれることが多いです。そのため、実績や効果はきちんと答えられると良いでしょう。

20~30代の方は革新性を求めており、提案としてただ資料を読むだけではなく、いかに相手の課題を気づかせ提案できるのかが重要なポイントになります。

電話営業(テレアポ)のコツ

電話営業のコツは3つあります。以下のコツを抑えることで、電話営業の成功率を高め、アポイント獲得の可能性が格段に向上します。

  • 内容を簡潔にする
  • 伝えるのではなく聞く
  • 切り替えて数をこなす

内容を簡潔にする

電話での最適な会話時間は3分以内です。以下の要素に絞って簡潔に伝えることが重要です。

  • 自社・自身の紹介(10秒)
  • 電話の目的(30秒)
  • 相手の課題確認(1分)
  • アポイントの提案(30秒)

人は電話を受けてから集中できる時間が限られています。長々と説明を始めると、相手の注意が散漫になりがちです。30秒以内で簡潔に目的を伝えることで、相手は電話の主旨を理解しやすく、興味を持ち続けてもらえます。

電話の目的がアポイントを取るためには一番重要です。目的を伝えないと電話口の方によくあるサービスだと捉えられてしまいます。よくあるサービスとして認識されないためにつかみとしてトークとして以下をいれてるのも良いでしょう。

「今一か月で売上を二倍にする方法を紹介してるのですが、」「業務コストを半分にできる○○のサービスについてなのですが、」

伝えるのではなく聞く

電話の目的は商談ではなく、相手の興味を引き出すことです。「御社では人材採用についてどのような課題をお持ちでしょうか?」「ちなみに、現在の採用手法に関して気になる点などございますか?」など、質問を投げかけることで会話の糸口を作ります。

テレアポの基本的な流れは以下のようになります。

1.「お忙しいところ失礼いたします。○○の△△でございます」

2.「実は、御社の人材採用についてお話をお伺いできればと思いまして」

3.「現在、採用に関して何か課題に感じていらっしゃることはございますか?」

4.「その課題について、弊社から具体的な解決策をご提案させていただければと思います」

相手の興味を引き出すために質問をすることで危機感や課題に気づかせることができます。その上で「こんなことができます」とお伝えすることで御社に少しでも興味付けができるでしょう。

切り替えて数をこなす

テレアポの成否は、相手の状況や心理状態など、様々な要因に左右されます。例えば、会議前の慌ただしい時間帯では、じっくりと話を聞いてもらえる可能性は低くなります。 そのため、数をこなすことが重要です、例えば、架電をするにしても受注数などKPIが定められてるはずなので、目標から逆算し架電数を設定しましょう。

ひと月の目標成約数が20件、成約率が20%、商談化率が80%、アポ獲得率が5%とすると、必要なテレアポ数は2400件です。2人の営業担当の方が対応する場合は、1人あたり月1500件が目安のため、20日稼働だとすると1日あたりの目標テレアポ数は75件になります。アポイント獲得の機会を大きく広げることができます。

詳細についてはこちらの記事をご覧ください。

飛び込み営業のコツ

飛び込み営業は一歩踏み出す勇気が必要ですが、コツを押さえることで効果的に関係を築くことができます。成功に繋がるポイントを意識するだけで、相手との信頼を早期に得やすくなり、営業の成果を高めることができます。

  • 所作振る舞いを見直す
  • 服装や小道具で訪問文脈を演出する
  • 訪問経路を事前に決めておく

所作振る舞いを見直す

非言語コミュニケーションは、第一印象を大きく左右します。人は見た目で判断されるので清潔感を大事にしましょう以下の点に特に注意を払いましょう。

  • 背筋をまっすぐに保つ
  • 視線を合わせる(相手を見下ろさない)
  • 手のジェスチャーは控えめに
  • 適度な間合いを保つ(1.5m程度)

人は見た目で判断されるので清潔感を大事にしましょう。また、人は強い・自信がある人に惹かれる傾向にあります。自信のない営業マンから購買はしません。姿勢から気をつけましょう。

服装や小道具で訪問文脈を演出する

業種や目的に応じた適切な装いは、信頼感を高めます。制服はその職業や役割にふさわしい装いを象徴し、相手にプロフェッショナリズムを感じさせます。

例えば、以下のような状況です。

  • システム保守の営業→作業着で訪問
  • 食品のルート営業→清潔な白衣
  • 保険の営業→スーツにバッグではなくブリーフケース

ノベルティ(販促品)の効果的な活用も重要です。商品サンプルやカタログ、オリジナルグッズなどを適切に使用することで、商談のきっかけを作ることができます。

訪問経路を事前に決めておく

効率的な訪問ルートを設計することで、一日の訪問件数を大幅に増やすことができます。事前に地図アプリで経路を確認し、移動時間を最小限に抑えることが重要です。たとえば以下のような活用をするとよいでしょう。

  • Googlemap
  • 紙の地図

事前に訪問する場所にピンを立てておくなどがおススメです。

詳細についてはこちらの記事をご覧ください。

ルート営業のコツ

既存顧客を定期的に訪問するルート営業では、単なる商談以上の関係性構築が重要です。時間をかけて築く信頼関係が、長期的な取引につながります。ポイントは3つあります。

  • 地域事情に精通する
  • 趣味や出身などのアイスブレイクを用意する
  • 単純接触回数を増やす

地域事情に精通する

地域に根差した話題は、顧客との会話の重要な糸口となります。例えば、名古屋で営業をする場合、トヨタ自動車の動向や中日ドラゴンズの話題は、多くの顧客と共有できる話題となります。また、地域の経済動向や新規出店情報なども、有益な会話のきっかけとなります。

地域情報の収集方法としては以下が効果的です。

  • 地域経済紙の定期購読
  • 地元商工会議所への加入
  • 地域SNSでの情報収集
  • 地域イベントへの積極的な参加

上記のような情報を仕入れておくことで、地域事情に精通します。顧客との会話が深まり、より親密で信頼される営業活動ができるようになるでしょう。

趣味や出身などのアイスブレイクを用意する

顧客とのスモールトークは、ビジネス上の信頼関係構築に重要な役割を果たします。自身の趣味や出身地など、個人的な話題を適切に共有することで、より親密なコミュニケーションが可能になります。

前任者がいる場合は、以下のような情報を引き継ぐことが重要です。

  • 顧客の趣味や関心事
  • 家族構成や記念日
  • 好みの飲食店や商品
  • 地域での役職や活動

趣味や出身地など、個人的な話題を適切に共有することで、親密なコミュニケーションが生まれ、商談が円滑に進みます。共通の関心事を見つけることができると、顧客との信頼関係をより深めることができ、ビジネス成功へと繋がります。

単純接触回数を増やす

心理学的にも、接触頻度が高いほど親近感が増すことが実証されています。特に中小企業の経営者や担当者との関係構築では、以下のようなアプローチが効果的です

  • 定期的な挨拶回り
  • 新商品サンプルの持参
  • 業界情報の定期提供
  • 季節の挨拶状の送付

これらの活動は、直接的な販売につながらなくても、長期的な信頼関係構築において重要な役割を果たします。アップセルやクロスセルの機会も、こうした日常的な接点から生まれることが多いのです。

特に大切なのは、訪問の頻度よりも「質」です。単なる挨拶だけではなく、毎回何らかの価値ある情報や提案を持参することを心がけましょう。

心理学を活かした営業のコツ

営業活動において、人の心理や行動原理を理解することは非常に重要です。科学的に実証された心理学の知見を活用することで、より効果的なアプローチが可能になります。コツとしては主に6つあります。

  • 好意の返報性
  • メラビアンの法則
  • 羊の法則
  • ウィンザー効果
  • バーナム効果
  • イエスセット

好意の返報性

好意の返報性とは、人は受けた親切に対して、同様の好意を返したいと感じる心理傾向のことです。営業シーンでは、以下のような活用方法が効果的です。

「お忙しい中、お時間を頂戴し、ありがとうございます。実は、御社の業界について私なりに勉強させていただき、いくつか気づいた点がございます。よろしければ、お話しさせていただけますでしょうか?」 このように、まず自分から価値を提供する姿勢を見せることで、相手も話を聞こうという気持ちになりやすくなります。

メラビアンの法則

コミュニケーションにおいて、言葉の内容は全体の7%しか影響力がないとされています。残りは、声のトーン(38%)と非言語コミュニケーション(55%)が占めています。視覚情報がコミュニケーションにおいて大きな役割を果たすため、非言語コミュニケーションのお作法に気を付けることは非常に重要です。視覚的な印象は相手の信頼感や印象を大きく左右します。

この法則を意識し、以下の点に注意を払うことが重要です。

  • 姿勢を正し、前のめりの態度で話を聞く
  • 適度な相槌と頷きを入れる
  • 声のトーンは明るく、テンポよく
  • 相手の表情や態度の変化に敏感になる

羊の法則

羊の法則は、他人の行動が自分の意思決定に影響を与えるという心理的な現象です。人は他人と同じ選択をすることで、自分の選択が間違っていないか、安心感を得る傾向があります。これを営業活動に活用することで、商品の信頼性や価値を強調し、顧客に対して購入や導入を後押しすることができます。

例えば、以下のように営業トークを活用することができます。

「このサービスは、御社と同業の○○様、△△様にも既にご導入いただいております。特に、人材採用の効率化について高い評価をいただいております」

顧客は「多くの企業が選んでいるから信頼できる」と感じやすくなります。また、具体的な結果や実績を示すことで、単なる「他社が使っている」という情報だけでなく、実際に得られる利益や成果が明確に伝わり、顧客の信頼をより強く引き出すことができます。

ウィンザー効果

ウィンザー効果は、最初に高い要求をされ、その後に相対的に低い要求をされた場合、人がその低い要求に応じやすくなる心理的効果です。この法則を営業に活用することで、顧客にとって「お得感」や「割引感」を演出し、より手ごろな選択肢を受け入れやすくなります。

例えば、以下のように営業トークを展開できます。

「まず、当社が提供するフルパッケージでのサービスは非常に高機能で、月額30万円でご提供しています。このプランには、全ての機能が含まれており、最大限の効率化と最適化が可能です。しかし、もしご予算が限られているようでしたら、まずは基本的な機能に絞ったプランをお試しいただくのも良いかもしれません。

こちらは月額10万円からご利用いただけ、最初の導入段階でのコストを大幅に抑えることができます。その後、ご利用状況に応じてフルパッケージへの移行も可能ですので、無理なくご導入いただけます。」

このように、最初に高額なフルパッケージを提示することで、顧客はその後の提案が相対的に「お得」と感じやすくなります。最初の高い要求はあくまで導入のきっかけとして使い、その後により低い価格での選択肢を提示することで、顧客は心理的に負担が少ないと感じ、実際にその提案を受け入れる確率が高くなります。

バーナム効果

バーナム効果は、誰にでも当てはまる一般的な内容を、個別的なアドバイスや特別な意見のように提示することで、相手がそれを自分に特有のものだと感じやすくなる心理的な現象です。

例えば、以下のように応用できます。

「御社のような業界では、急速に変化する市場環境に適応するために、柔軟性が求められます。御社はその点でも素早く対応しており、その姿勢が競争優位性を高める重要な要素となると考えております。」

「昨今の業界のトレンドを見ていると、デジタル化が進む一方で、従来の手法にこだわる企業も多く見受けられます。その中で、御社が新しいテクノロジーの導入を積極的に進めていることは、非常に先進的で、今後の競争力に大きな影響を与えるでしょう。」

これらの表現は、実際にはどの企業にも当てはまり得る一般的な内容ですが、顧客は自分たちの取り組みや状況に合わせてこれを解釈し、特別な評価を受けていると感じやすくなります。

バーナム効果を効果的に活用するためには、相手が「自分に対する理解や評価をしてくれている」と感じるような表現を使うことが重要です。こうすることで、顧客は自分の状況に合った助言を受けていると感じ、信頼感や共感が生まれやすくなります。

イエスセット

小さな質問に対する「はい」の積み重ねが、最終的な大きな「はい」につながりやすいという法則です。この法則は、顧客の心の中に「私はこの提案に同意している」と感じさせることで、最終的な合意へと導くための強力な手法です。

「人材採用について、お困りのことはございますか?」 「はい」 「採用にかかるコストを削減したいとお考えですか?」 「はい」 「では、具体的な削減方法についてご提案させていただけますでしょうか?」

このように、段階的に合意を得ていくアプローチが効果的です。 これらの心理学的アプローチは、決して相手を操作するためのものではありません。むしろ、相手のニーズを正確に理解し、最適なソリューションを提供するためのコミュニケーション手法として活用することが重要です。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

営業成功の鍵となる心理学的アプローチ、効果的な商談テクニック、そして実践的なコミュニケーション方法を紹介しました。

弊社株式会社Sales and Innovation Japanでは、これまで200社以上の営業支援、マーケティング支援を実施してきた経験を活かして、企業様の新規事業立ち上げや販路拡大のご支援をさせていただいております。

「どうしたらよりアポが取れるのか」「顧客との関係構築の方法を知りたい」など営業でお悩みの際にはお問い合わせお待ちしております。

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