「また今月も目標未達成…」「エース営業が転職して売上が半減」「新人は3ヶ月経っても戦力にならない」「部下のやり方がバラバラで、なぜ売れるのか、なぜ売れないのかが分からない」 営業部長なら一度は経験したことがあるこんな状況。
個人の能力頼みの営業組織では、優秀な人材が抜けた瞬間に業績が急落し、新人育成には膨大な時間がかかり、成果の予測すらできません。 「このままでは会社の将来が不安だ」「何とかしなければ」と感じながらも、具体的に何から手をつけていいか分からない部長も多いでしょう。
しかし、トップ営業マンに依存しない「仕組みで勝てる営業組織」を作ることは可能です。本記事では、属人化の罠から脱出し、安定して成果を出し続ける強い営業組織の構築方法を、明日から実践できる具体的なステップで解説します。
強い営業組織のあるべき姿
公益財団法人日本生産性本部の「日本生産性本部「労働生産性の国際比較2023・2024」」によると、日本の時間当たり労働生産性はOECD加盟38カ国中29位(2023年)と低迷しています。
多くの企業で営業業務が個人のスキルや経験に依存する属人化が進んでおり、業務の進捗共有が困難になっています。営業の属人化により、チーム全体での生産性向上が阻害され、営業課題の特定や対策効果の確認に時間がかかる状況が生じています。
現代では市場の変化スピードが加速し、顧客ニーズが多様化しています。だからこそ、個人依存型の営業手法には限界があり、仕組み化された営業プロセスと共有可能なナレッジベースの構築が不可欠です。真に強い営業組織とは、個人の能力に依存せず安定した成果を創出し続ける組織といえるでしょう。
参照: 日本生産性本部「労働生産性の国際比較2023・2024」
強い営業組織の特徴
強い営業組織には共通する3つの特徴があります。これらは相互に関連し合い、組織全体の競争力を高めています。
- 標準化されたプロセス
- データドリブンな意思決定体制
- 顧客価値創造と継続学習文化
標準化されたプロセス
標準化されたプロセスと再現営業活動を体系化し、属人的なスキルに依存せず安定した成果を実現する仕組みが確立されています。
| 要素 | 内容 | 効果 |
|---|---|---|
| 営業プロセス | 見込み客発掘→ヒアリング→提案→クロージング→契約の5段階管理 | 成約率の向上と進捗の可視化 |
| トークスクリプト | 初回訪問・顧客懸念への切り返し・価格交渉など場面別対応マニュアル | 新人の早期戦力化と対応品質の安定化 |
| 提案資料 | 製造業向け・小売業向けなど業界特化型テンプレート | 提案品質の均一化と準備時間の短縮 |
標準化により、ベテラン営業担当者の暗黙知が組織全体に共有され、チーム全体のパフォーマンスが底上げされます。また、新人研修期間の短縮と離職率の低下も実現できます。
データドリブンな意思決定体制
営業活動のあらゆる場面で数値データを活用し、感情や経験則ではなく客観的事実に基づいて戦略を決定しています。
| 要素 | 内容 | 効果 |
|---|---|---|
| データ収集 | 商談数・提案率・受注率・顧客単価などのKPI日次管理 | 課題の早期発見と客観的な現状把握 |
| 分析・改善 | SalesforceやHubSpotなどCRMでの行動履歴分析 | 個人・チーム・組織レベルでの最適化 |
| アクション | 週次レビューでの改善施策の即時実行 | 継続的なパフォーマンス向上 |
単なる数値の収集ではなく、データから導き出した仮説を即座に実行に移すスピード感が重要です。月次ではなく週次での振り返りサイクルにより、市場変化への対応力を高めています。
顧客価値創造と継続学習文化
自社製品の説明よりも顧客の課題解決を重視し、組織全体で市場の変化に適応し続ける学習体制を構築しています。
| 要素 | 内容 | 効果 |
|---|---|---|
| 顧客志向 | 売上向上・コスト削減など顧客の経営課題に焦点を当てた提案 | 顧客満足度と信頼関係の向上 |
| 知識共有 | 月次全体会議での成功事例発表と失敗要因の分析共有 | チーム全体のスキルレベル底上げ |
| 継続学習 | 業界セミナー参加費補助と社内勉強会の月2回開催 | 市場変化への適応力強化 |
営業担当者は単なる商品説明者ではなく、顧客の経営パートナーとしての役割を担います。定期的な学習機会により、IT化やDX推進など市場の急速な変化にも柔軟に対応できる組織力を維持しています。
営業組織育成強化の5つのステップ
営業組織の育成には体系的なアプローチが必要です。以下の5つのステップを段階的に実行することで効果的な組織強化を実現できます。

ステップ1:現状分析
組織の現在地を正確に把握し、改善すべき課題と活用できる強みを明確化します。
| 要素 | 内容 | 効果 |
|---|---|---|
| 営業実績分析 | 過去12ヶ月の売上推移・成約率・顧客獲得コスト・商談件数など数値面の評価 | 客観的な強み・弱みの把握 |
| スキル評価 | ヒアリング力・プレゼン力・クロージング力を5段階で個人別診断 | 育成優先順位の明確化 |
| 組織体制診断 | 日報システム・週次ミーティング・上司との1on1頻度の現状調査 | 構造的課題の発見 |
多面的な評価により、「売上が伸び悩んでいる」という表面的な問題ではなく「顧客フォロー不足(既存顧客への提案頻度月1回、失注後のフォロー実施率20%)と営業プロセスの標準化不備」という根本原因を特定し、この分析結果を基盤として継続的な改善サイクルを構築することが重要です。
ステップ2:目標設計
現状分析の結果を踏まえ、実現可能で具体的な目標を段階的に設定します。
| 要素 | 内容 | 効果 |
|---|---|---|
| 短期目標 | 成約率向上・新人研修期間短縮など3~6ヶ月での達成可能な具体的指標設定 | 早期成功体験と組織の推進力向上 |
| 中期目標 | 売上向上・顧客満足度向上・離職率削減など1~2年での組織変革目標 | 継続的な取り組みへのコミット |
| 個人目標 | 上位者:リーダーシップ研修受講、成長段階者:基礎商談スキル強化 | 個人のモチベーション向上 |
目標は「頑張ります」ではなく「成約率○%達成」など数値化し、業界平均や過去実績を参考に、努力すれば達成可能なストレッチ目標を設定することで、進捗の客観的把握と個人のモチベーション向上を実現できます。
ステップ3:実行管理
設定した目標に向けて具体的な施策を実行し、進捗を継続的にモニタリングします。
| 要素 | 内容 | 効果 |
|---|---|---|
| 施策実行 | 研修プログラム・営業プロセス改善・ツール導入の段階的実施 | 計画的な組織変革の推進 |
| 進捗管理 | 週次・月次での目標達成状況の定期確認 | 早期の軌道修正と継続的改善 |
| サポート体制 | メンタリング・コーチング・相談窓口の設置 | 個人の成長支援と離脱防止 |
実行段階では計画通りに進まないケースも多いため、月次での効果測定と軌道修正を組み込んだ柔軟な管理体制を構築します。メンバーの負担を考慮し、新施策は既存業務の20%以内に制限し、3ヶ月単位での段階的導入を重視することで定着率を高めます。
ステップ4:成果評価
実施した施策の効果を客観的に測定し、多面的な評価を行います。
| 要素 | 内容 | 効果 |
|---|---|---|
| 定量評価 | 売上・成約率・生産性などの数値による客観的測定 | 改善効果の明確な可視化 |
| 定性評価 | 顧客満足度・チームワーク・モチベーション向上の評価 | 数値では見えない組織力の把握 |
| 比較分析 | 施策実施前後・他部門・業界平均との比較検証 | 相対的な成長度合いの確認 |
評価は感情的な判断ではなく、データに基づいた客観的な分析を重視します。成功要因と課題の両方を詳細に分析し、改善点の優先順位付けと次期計画への具体的なアクションプランを導き出すことが重要です。
ステップ5:継続改善
評価結果を踏まえてPDCAサイクルを回し、市場変化に柔軟に対応しながら組織力を向上させ続けます。
| 要素 | 内容 | 効果 |
|---|---|---|
| 課題改善 | 評価で判明した問題点への具体的対策実施 | 継続的な組織力向上 |
| 成功要因活用 | 効果的だった施策の他分野への横展開 | 成功パターンの組織全体への浸透 |
| 市場適応 | 業界動向・顧客ニーズ変化への迅速な対応 | 持続的競争優位性の確保 |
組織育成は継続的なプロセスであり、一時的な施策では持続的効果は期待できません。市場環境の変化に応じて定期的に見直しを行い、学習する組織として進化し続けることで持続可能な競争優位性を構築できます。
営業組織育成に必要な仕組みとシステム構築
効果的な営業組織を育成するには、適切な仕組みとシステムの構築が不可欠です。以下の3つの要素を体系的に整備することで、持続的な成長を実現できます。
ここでは、必要な仕組み・構築について以下の3つを紹介します。
- 営業プロセスの標準化と再現性の確保
- KPI管理システムと進捗可視化
- ナレッジ共有プラットフォームと組織学習の促進
営業プロセスの標準化と再現性の確保
営業活動の属人化を防ぐためには、プロセスの標準化が最も重要になります。見込み客発掘から契約締結まで、各段階で何をすべきかを明確にし、誰でも一定の成果を出せる仕組みを構築します。
| フェーズ | 標準アクション | 判定基準 |
|---|---|---|
| リード獲得 | テレアポ・展示会・Web問い合わせからの見込み客発掘と初回アポイント設定 | 反応率・月間アポ獲得件数での評価 |
| ヒアリング | BANT情報(予算・決裁権・ニーズ・導入時期)の確認とヒアリングシート完成 | ヒアリングシート記入完了度・次回商談設定率での評価 |
| 提案・クロージング | 課題解決型提案書作成・プレゼンテーション・価格交渉・契約条件調整 | 提案後の回答獲得期間・成約率での評価 |
SalesforceやHubspotなどの、営業支援システム(SFA)での進捗管理と、定期的な営業会議での進捗報告により、各段階での滞留を防ぎます。新人には先輩営業によるロールプレイング研修を定期実施し、実践力を向上させます。
KPI管理システムと進捗可視化
データに基づく営業管理を実現するためには、適切なKPI設定と管理システムが必要になります。リアルタイムでの進捗把握により、迅速で的確な意思決定を可能にします。
| 要素 | 内容 | 効果 |
|---|---|---|
| 指標設定 | 売上・商談数・成約率・顧客単価など階層別KPI設定 | 目標達成状況の客観的把握 |
| ダッシュボード | 個人・チーム・全社レベルでの実績可視化システム | 迅速な意思決定と課題の早期発見 |
| アラート機能 | 目標未達や異常値発生時の自動通知システム | 問題の即座の認識と対応 |
リアルタイムでの進捗把握により迅速な意思決定を実現します。活動量、品質、効率性をバランス良く管理することで、目標達成確度を大幅に向上させることができます。
ナレッジ共有プラットフォームと組織学習の促進
組織全体の能力向上には、個人の経験や知識を組織の財産として共有する仕組みが不可欠になります。成功・失敗事例の共有により、集合知として活用できます。
| 要素 | 内容 | 効果 |
|---|---|---|
| 成功事例データベース | 受注成功パターン・効果的な提案内容の蓄積と検索システム | 成功ノウハウの組織全体への展開 |
| 失敗事例分析 | 失注原因の分析結果と改善策の共有システム | 同様の失敗の再発防止 |
| 学習コンテンツ | 商品知識・営業スキル・業界動向の定期的な学習コンテンツ配信 | 継続的なスキル向上と市場適応力強化 |
成功事例や失敗事例を組織で共有し、個人の経験を組織の財産として活用します。情報の蓄積と活用しやすい形での整理により、退職による知識の流出を防ぎ、継続的な学習によって市場変化への対応力を維持できます。
段階別営業人材の効果的な育成方法
営業組織の競争力強化には、人材レベルに応じた体系的な育成プログラムが不可欠です。新人から管理職まで、それぞれの段階に最適化された育成手法を実践することで、組織全体の営業力向上と持続的成長を実現できます。
ここでは、必要な仕組みと構築について以下の3つを紹介します。
- 営業プロセスの標準化と再現性の確保
- KPI管理システムと進捗可視化
- ナレッジ共有プラットフォームと組織学習の促進

新人営業の育成と戦力化
新人営業の戦力化スピードは、その後の営業成績と定着率に大きく影響します。体系的な育成プログラムにより、入社13週間での独り立ちを目指します。
新人営業の早期戦力化には、段階的な学習プログラムが重要です。基礎から実践まで体系的に習得させることで、最短期間での戦力化を実現できます。
ここでは、新人営業の育成と戦力化について以下の3つを紹介します。
- スキルチェック実施
- 座学・ロープレ研修
- OJTとメンター制
| 育成段階 | 実施内容 | 期間目安 |
|---|---|---|
| 基礎習得 | スキルチェック・座学研修 | 2週間 |
| 実践練習 | ロールプレイング・商品研修 | 3週間 |
| 現場経験 | OJT・メンター制 | 8週間 |
入社から13週間(約3ヶ月)で独り立ちできる営業パーソンへと育成していきます。
スキルチェック実施
まず、新人営業に対して体系的なスキルチェックを実施しましょう。すると、個々の強みと弱みを客観的に把握し、効率的な育成計画を立てることができるようになります。
実施するスキルチェック例

これらの結果を踏まえることで、個人に最適化された育成プログラムを設計し、効果的かつ効率的な営業人材の育成が実現できます。
座学・ロープレ研修実施
まず、座学とロールプレイングを組み合わせた実践的な研修を実施しましょう。すると、理論と実践のバランスが取れ、現場ですぐに活用できるスキルを身につけることができるようになります。
実施する研修内容例

これらの結果を踏まえることで、理論的な知識と実践的なスキルが定着し、自信を持って営業活動に取り組める土台が構築されます。
OJTとメンター制実施
まず、経験豊富な先輩営業をメンターとして配置し、実際の営業現場でのOJTを実施しましょう。すると、リアルな営業体験を通じて実践的なスキルと現場感覚を身につけることができるようになります。
実施するOJT・メンター活動例

これらの結果を踏まえることで**、座学では得られない実践的なノウハウと営業現場での対応力が身につき、早期の戦力化が実現**できます。
中途営業の即戦力化と定着促進
中途入社の営業人材は既存の経験を活かしつつ、新環境への適応が成功の鍵となります。早期戦力化と長期定着の両立を目指した育成が重要です。
ここでは、中途営業の即戦力化と定着促進に必要な以下の3つを紹介します。
- 経験・スキル棚卸し
- バディ制導入
- キャリアプラン策定
経験・スキル棚卸し
まず、中途入社者の過去の営業経験とスキルを詳細に棚卸しして把握しましょう。すると、既存のスキルを活かしつつ、不足している部分を効率的に補完することができるようになります。
実施する棚卸し項目例

これらの結果を踏まえることで、個人の強みを最大限活かしながら、当社特有の営業手法への適応を効率的に進めることができます。
バディ制導入実施
まず、同じような経験を持つ既存社員をバディとして配置し、継続的なサポート体制を構築しましょう。すると、組織への早期適応と人間関係の構築がスムーズに進むようになります。
実施するバディ制の内容例
- 実画面を見せながら操作指導
- 予算確定タイミング、稟議者など顧客の特性情報を共有
- 見積書や資料作成など日常業務の即座な相談対応
- 入社1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月で業務や人間関係の困りごとを面談確認
- 繁忙期、報告スタイル、社内行事など職場ルールの伝達
これらの結果を踏まえることで、中途入社者の心理的不安を軽減し、組織に溶け込みながら早期に成果を出せる環境が整います。
キャリアプラン策定実施
まず、中途入社者と一緒に中長期的なキャリアプランを策定しましょう。すると、個人の成長意欲と会社の期待を合致させ、高いモチベーションを維持することができるようになります。
実施するキャリアプラン要素例
- 3年後チームリーダー、5年後課長、7年後部長
- 1年目売上1億円、2年目後輩指導、3年目戦略立案
- 主任は売上120%と部下育成、課長は売上110%と評価A以上
- MBA半額補助、資格奨励金月1万円、セミナー年4回負担
- 半年毎上司面談、年1回人事相談、四半期進捗レビュー
これらの結果を踏まえることで、中途入社者の定着率向上と長期的なパフォーマンス発揮が期待できる組織づくりが実現します。
既存営業の能力開発と専門性強化
既存営業人材の継続的成長は、組織全体の営業力向上の要となります。データに基づく客観的な現状把握と、個人最適化された能力開発プログラムが必要です。
ここでは、既存営業の能力開発と専門性強化に必要な以下の3つを紹介します。
- 数値分析と課題特定
- 外部研修・資格取得
- 目標管理制度連動
| 開発段階 | 実施内容 | 期間目安 |
|---|---|---|
| 現状分析 | 数値分析と課題特定 | 4週間 |
| 能力強化 | 外部研修・資格取得 | 12週間 |
| 評価連動 | 目標管理制度連動 | 継続 |
データに基づいた客観的な評価と個別最適化された能力開発を実現します。
数値分析と課題特定実施
まず、既存営業の活動実績と成果を数値的に分析し、個々の課題を特定しましょう。すると、感覚に頼らない客観的な改善ポイントを明確にし、効果的な能力開発を実施することができるようになります。
実施する数値分析項目例
- 月次売上で季節変動把握、四半期達成率Q1 95%、Q2 108%、Q3 87%、Q4 112%
- 訪問→提案転換率60%、提案→受注転換率25%
- 製造業35%、IT業界20%、小売業45%、新規15%、既存55%
- 月間訪問40件で売上3000万円、テレアポ200件→アポ20件→受注2件
- 同期5名中、売上2位、訪問数1位、成約率4位
これらの結果を踏まえることで、個人の具体的な強化ポイントが明確になり、的確な能力開発プログラムを設計できます。
外部研修・資格取得実施
まず、特定された課題に対応する外部研修への参加や関連資格の取得を支援しましょう。すると、専門性の向上とモチベーションの向上を同時に実現することができるようになります。
実施する研修・資格例
| 区分 | 研修・資格内容 | 具体例 |
|---|---|---|
| 業界特化研修 | 業界に特化した営業知識・提案力強化 | ・IT業界向け営業セミナー(日本能率協会主催、2日間/20万円) ・製造業DX提案力向上研修(3ヶ月間 通学コース) |
| 営業関連資格 | 営業スキルを客観的に証明する資格取得支援 | ・営業士検定(初級・上級) ・セールススキル検定 1~3級 ・営業力強化検定・顧客満足度調査士 |
| 専門スキル研修 | 個別スキルの向上 | ・ロジカルシンキング研修(問題解決力向上、2日間) ・プレゼンテーション力強化研修(人前で話す技術、1日) |
| デジタルツール研修 | 営業ITツール・分析力の習熟 | ・Salesforce 認定アドミニストレーター資格取得 ・HubSpot Marketing Software 認定 ・Excel VBA による営業データ分析 |
| リーダーシップ研修 | 管理職・リーダー層のマネジメント力強化 | ・中間管理職向けマネジメント研修(部下指導力、3日間) ・コーチング研修(1on1面談スキル、2日間) |
これらの結果を踏まえることで、営業スキルの底上げと専門性の強化が図られ、より高いレベルでの営業活動が可能になります。
目標管理制度連動実施
まず、能力開発の成果を目標管理制度と連動させ、成長を評価・報酬に反映させる仕組みを構築しましょう。すると、継続的な学習意欲と成果向上への動機づけを強化することができるようになります。
実施する制度連動例
- 営業スキル5段階評価、年2回チェックで1段階向上を昇格条件に設定
- 能力開発目標をMBO20%に設定、研修・資格実績を評価加点
- 営業士取得で主任試験免除、マネジメント研修修了で課長候補推薦
- 資格取得で月5000円手当、年間MVPに50万円特別賞与
- 四半期ベストプラクティス発表、年間表彰でスキル向上賞・指導力賞設定
これらの結果を踏まえることで、能力開発が組織全体の文化として定着し、持続的な営業力強化が実現できます。
営業マネージャーの組織運営力向上
営業マネージャーの組織運営力は、チーム全体のパフォーマンスを左右する重要な要素です。データ活用能力と人材マネジメント力の両面強化が必要です。
営業マネージャーの組織運営力は、チーム全体のパフォーマンスに直結する重要な要素です。データ活用能力と人材マネジメント力の両面から、管理職としての総合力を向上させます。
ここでは、営業マネージャーの組織運営力向上について以下の3つを紹介します。
- CRM・BIツール活用
- 定期勉強会・事例共有
- 1on1・評価制度改善
| 強化領域 | 実施内容 | 期間目安 |
|---|---|---|
| データ活用 | CRM・BIツール活用 | 8週間 |
| 知識共有 | 定期勉強会・事例共有 | 継続 |
| 人材育成 | 1on1・評価制度改善 | 継続 |
データドリブンな組織運営と効果的な人材育成を両立できるマネージャーを育成します。
CRM・BIツール活用実施
まず、CRMやBIツールを効果的に活用できるスキルを身につけさせましょう。すると、データに基づいた的確な組織運営と部下指導を実現することができるようになります。
顧客情報一元管理でのツール利用例

上記は商談フェーズをSalesForceで確認している様子です。これにより、営業活動の進捗を商談ステージ別に可視化することが出来ます。
また、顧客管理情報についても一元管理が出来ます。
売上予測ダッシュでのツール利用例

他にも、営業プロセスの標準化や市場動向分析活用にもCRM・BIツールは活用できます。
詳しくは、以下の記事をご参照ください。
営業の案件管理方法を徹底解説。SFAの選び方とExcelテンプレート付き
これらの結果を踏まえることで、勘と経験に頼らない科学的な営業管理が可能になり、組織全体の生産性向上が実現できます。
定期勉強会・事例共有実施
まず、営業マネージャー同士の定期的な勉強会と成功事例の共有機会を設けましょう。すると、組織運営のベストプラクティスを共有し、管理スキルの向上を図ることができるようになります。
インサイドセールス導入による営業効率化手法の成功例
会社名:日本ピザハット株式会社
事業内容:ピザハット事業
CRMを活用した施策
- 顧客の属性や購買行動から顧客をセグメント化し、個別に最適化されたメルマガコンテンツを配信(Marketing Cloud)
- スマホアプリの利用頻度を高めるため、プッシュ通知機能を追加(Mobile Studio)これにより、メルマガ設計や顧客対応のプロセスが効率化され、購買頻度の向上につながっています。
こうした事例を共有することで、マネージャー同士の知見が広がり、組織全体の営業力向上につながります。
1on1・評価制度改善実施
まず、効果的な1on1面談の実施方法と公正な評価制度の運用スキルを強化しましょう。すると、部下との信頼関係を構築し、適切な人材育成と組織運営を実現することができるようになります。
KPT-Sモデルを活用した1on1面談の実施
1on1面談を成長の機会に変えるため、KPT-S(Keep・Problem・Try・Success)のフレームワークを導入します。
- Keep(継続): うまくいったこと
- Problem(課題): 困難だったこと
- Try(挑戦): 次に試すこと
- Success(成功): 成功の判断基準
このモデルで、部下自身に考えさせ、具体的な行動計画を立てることを促します。これにより、自律的な成長と組織全体のエンゲージメント向上を実現できます。
まとめ

強い営業組織の構築には、標準化されたプロセス、データドリブンな意思決定、継続的な学習文化を基盤とした体系的なアプローチが不可欠です。
営業人材の育成においては、レベルに応じた個別アプローチで組織全体の底上げを図り、適切な仕組みとシステム構築によりPDCAサイクルを継続的に回すことで、市場変化に対応できる強靭な営業組織を実現できます。
しかし、多くの企業が直面する現実は厳しいものです。「営業の属人化が解消できない」「売上が頭打ちで打開策が見つからない」「優秀な営業人材の採用・育成に限界を感じている」といった課題を抱えながらも、具体的な解決策を見出せずにいるケースが少なくありません。
こうした課題を根本的に解決するには、営業組織構築の専門的な知見と豊富な実績を持つパートナーとの連携が効果的です。
営業組織変革の専門パートナーとして、Sales and Innovation Japan(SIJ)があります。SIJは営業代行業界の黎明期から業界を牽引してきたプロフェッショナルが設立した、結果にこだわり抜くBtoB営業の専門集団です。
SIJの豊富な経験と実践的なノウハウを活用することで、あなたの会社も短期間で市場変化に対応できる強靭な営業組織を構築し、持続的な成長軌道に乗せることができるでしょう。


専門学校卒業後、小売業で5年間経験を積み、売場管理責任者として1億5千万円規模の売場運営に従事。その後、IT業界へ転身し、公共インフラの設計から構築まで5年間携わる。株式会社Sales and Innovation Japanにジョイン。営業として、インサイドセールスとして、アウトバウンド・インバウンドを経験後、現在はカスタマーサクセスとして新規プロジェクトの成果創出に向けて奮闘中。

