新人営業マンの教え方!指導者のための新営業マン育成マニュアル

営業という職種は経験によって大きく成長する分野であると同時に、新人にとっては様々な困難が待ち受けています。本記事では、新人営業マンが抱える悩みから、効果的な研修方法、指導者が避けるべきポイントまで、まとめて解説します。

新人営業マンの悩み

新人営業マンは様々な悩みを抱えています。これらの悩みが適切に解消されないと、営業パフォーマンスの低下や機会損失につながる恐れがあります。

知識不足や業界の理解不足

新人営業マンは経験が浅いために製品知識や業界理解が不十分であることが多く、それが自信の欠如につながっています。顧客との商談の場で質問に適切に回答できないという不安は、営業パフォーマンスを大きく低下させる要因となります。

製品や業界の徹底的な学習、先輩社員からの情報収集など、知識を補強する機会を積極的に設けることが効果的です。また、よくある質問とその回答例をまとめた資料を作成し、新人に提供することも有効な対策となります。

自信を持って営業活動を行うために、定期的な勉強会や情報共有の場を設け、知識のアップデートをし、新人の不安を軽減させてあげましょう。

上司とのコミュニケーション

営業活動は、チーム内でのコミュニケーションが成果を左右しますが、新人は上司や先輩とのコミュニケーションに苦手意識を持つことがあります。

コミュニケーションの不足は情報共有の欠如につながり、それによって営業機会を逃すリスクが高まります。上司は新人が相談しやすい環境を整え、定期的な面談や報告の機会を設けることが重要です。

新人の発言に耳を傾け、日々の些細な会話も大切にすることで、信頼関係を構築していくことができます。また、営業の成功事例や失敗事例を共有する場を定期的に設けることで、チーム全体の成長につながります。

やる気のない新人への営業の教え方

新人の中には営業活動に対して消極的な姿勢を見せる人材がいます。このような場合、単に叱責するだけではむしろ逆効果となる可能性があります。ここからは、効果的な改善法を紹介します。

やる気がない理由を理解する

新人のやる気が感じられない場合、まずはその根本的な原因を探ることが重要です。表面的な態度だけで判断せず、背景にある要因を理解することが問題解決の第一歩となります。

業務に対する理解不足が原因である場合と、営業活動そのものに対する不安や恐れが原因である場合では、対応方法が大きく異なります。前者であれば基本的な業務内容の再説明が効果的であり、後者であれば心理的なサポートが必要となります。

考えられる原因特徴的な言動効果的な対応方法
業務内容の理解不足「何をすればいいのかわからない」という発言具体的な行動指針を示す
営業に対する不安顧客との接触を避ける傾向自信を持たせるため、比較的容易な案件から担当させ、成功体験を積ませる
人間関係の問題チームメンバーとの交流が少ない1対1の面談を増やし、信頼関係を構築する
キャリアの方向性への疑問将来への不安に関する発言キャリアパスを明確に示し、成長の見通しを共有する

新人のモチベーション低下には、必ず何らかの原因があります。その根本原因を探り、適切な対策を講じることで、多くの場合は改善が見られます。

チームでの協力

営業活動では個人の成果が重視されがちですが、チームとしての協力体制を構築することで、新人の孤立感を軽減することができます。困ったときに気軽に相談できる環境があることで、失敗を恐れず積極的にチャレンジする姿勢が生まれます。

また、チーム全体の目標を共有し、その達成に向けて全員が協力する体制を作ることで、新人も組織の一員としての自覚を持ちやすくなります。個人プレーではなく、チームプレーの重要性を理解させることが大切です。

達成感を感じさせる

営業職において、成功体験は何よりも強力なモチベーション向上の要因となります。新人に対しては、最初から難易度の高い案件を任せるのではなく、達成可能な小さな目標を設定し、段階的にステップアップさせることが効果的です。

ステップ活動内容目的・効果
1. 既存顧客へのフォローアップ現在取引がある顧客との関係を深める。顧客の信頼を得る、リピートビジネスの促進。
2. 既存顧客への追加提案顧客のニーズを深掘り、追加の商品・サービスを提案。売上アップ、顧客の満足度向上。
3. 新規顧客の獲得新たなターゲット顧客にアプローチ。顧客基盤の拡大、新しい市場への進出。
4. 新規顧客の深耕新規顧客との長期的な信頼関係を構築。継続的な売上の確保、顧客との長期的なパートナーシップ。

各ステップでの成功体験を積み重ねることで、営業に対する自信とやりがいを感じるようになります。

営業研修プログラム

営業研修の効果を最大化するための、基本的な営業の考え方や業界知識をしっかり学ぶことで、研修後の成果を高めることができます。

事前準備

研修の効果を最大化するためには、基本的な営業の考え方から、業界知識の習得まで、実践に入る前の適切な事前準備が欠かせません。

営業の心構え

営業の役割や良い営業マンの特性、基本的な営業プロセスの流れなど、営業活動の全体像を把握することが重要です。

特に、多くの新人は失敗への恐れから消極的になりがちですが、営業は数をこなすことで成長する職種であることを理解させることが大切です。営業の本質は顧客の課題解決にあることを強調し、単なる「モノを売る」という概念から脱却させることも重要なポイントです。

業界・商品の知識をインプット

提案内容に自信を持てるように知識を深めることは、営業成功の基盤となります。製品やサービスの特徴、利点、競合との違いなど、具体的な知識を体系的に学ぶことが重要です。

学ぶべき知識の種類具体的な内容習得方法
製品知識機能、特徴、強み、使用方法、価格体系製品マニュアル・サービス説明
業界動向市場規模、成長率、主要プレーヤー業界レポート、セミナー参加
競合情報競合製品の強み・弱み、市場シェア競合分析資料、市場調査
顧客ニーズ一般的な課題、ニーズの傾向過去の事例研究、顧客インタビュー

知識は単に暗記するだけでなく、実際の営業シーンでどのように活用するかを考えながら学ぶことが効果的です。例えば、競合との比較表を作成し、どのような顧客にどの特徴をアピールすべきかをシミュレーションするといった実践的な学習方法が有効です。

目標設定

明確な目標設定は、営業活動の方向性を定め、モチベーションを維持するために不可欠です。自己の目標だけでなく、営業部門全体の目標も理解することで、組織の中での自分の役割を認識することができます。

目標は具体的で測定可能なものとし、「月間30件の新規アポイント獲得」といった数値目標と、そのために「毎日50社へのコールを行う」といった具体的な行動計画を紐づけることで、日々の活動が明確になります。

また、短期目標と長期目標をバランスよく設定することで、日々の小さな成功体験と将来のビジョンの両方からモチベーションを得ることができます。定期的な目標の振り返りと調整も、継続的な成長のために重要なプロセスです。

実践的スキル強化

知識のインプットだけでなく、実践的なスキルを身につけるための訓練も重要です。ロールプレイングやケーススタディなど、実際の営業シーンを想定した訓練を通じて、実践力を養います。

ロールプレイング

効果的な営業トークを学び、魅力的に伝える技術を習得するためには、ロールプレイングが非常に効果的です。基本的なスクリプトを用意し、それをベースにした練習から始め、徐々に応用力を養っていきます。

特に重要なのは、顧客からの反論や質問への対応力です。想定される反論とその対処法をあらかじめ準備しておくことが大切です。ロールプレイングでは、実際の商談に近い状況を再現し、訓練を行うことが効果的です。

ロールプレイングの後には必ずフィードバックの時間を設け、良かった点と改善点を具体的に伝えることで、次回への成長につなげます。録音して後から自分の様子を客観的に見ることも、効果的な方法の一つです。

ケーススタディー

成功事例や失敗事例をもとに戦略を練ることは、実践的な思考力を養うために非常に有効です。過去の事例を分析し、なぜ成功したのか、なぜ失敗したのかを理解することで、営業活動に活かすことができます。

単に結果だけでなく、そのプロセスや背景にある要因を理解することが重要です。成功事例であれば、どのようなアプローチが効果的だったのか、どのようなニーズに応えることができたのかを分析し、失敗事例であれば、どの段階で問題が生じたのか、どうすれば防げたのかを考察します。

本番

研修の集大成として、実際の営業現場での経験を積むことが重要です。先輩社員の同行や電話営業など、段階的に実践経験を積み重ねることで、実戦力を養成します。

営業同行

先輩社員に同行して営業活動を体験することは、営業の流れ全体を把握する上で非常に効果的です。商談の準備から、アポイントの取得、訪問、プレゼンテーション、クロージング、フォローアップまでの一連のプロセスを実際に見ることで、座学では得られない実践的な知識を得ることができます

経済産業省公認中小企業診断士の佐藤康二さんによると「(2)戦略的同行営業(中略)営業同士の組み合わせはもちろん 、顧客タイプ 、商品タイプ 、商談場面タイプなどのマト リックス のなかで年間計画を立てて実 践 していきます  」(株式会社エム・イー・エル 取締役 経済産業大臣登録 中小企業診断士 佐藤康二,https://www.mel-con.co.jp/opinion/pdf/op29.pdf,2025/02/28引用)とあり、一口に営業同行と言っても単に見学させるだけでなく、事前に観察ポイントを明確にし、後で質問や振り返りを行うことが重要です。例えば、「顧客の反応が良かった瞬間はどこか」「質問や反論にどのように対応していたか」などの視点を持って観察することで、学びが深まります。

徐々に役割を増やしていくことも効果的です。最初は自己紹介のみ、その次は製品説明の一部を担当するなど、段階的に経験を積むことで、無理なく成長することができます。

電話営業

電話営業は、顔が見えない分、声だけでのコミュニケーション力が試されます。トーンや言葉選び、テンポなど、音声コミュニケーションの基本を身につけることが重要です。

電話営業では、短時間で相手の興味を引き、信頼を得るための技術が求められます。簡潔で明確なメッセージ伝達、相手の反応に合わせた柔軟な対応など、営業の基本スキルを集約的に鍛えることができます。

最初は比較的簡単な内容、例えば既存顧客へのフォローアップコールなどから始め、徐々に新規顧客へのアプローチなど難易度の高い内容へと移行することで、スキルの定着と向上を図ります。定期的に通話を録音して振り返りを行うことも、効果的な学習方法の一つです。

改善

研修終了後も継続的な改善と成長が重要です。定期的なフィードバックや目標の振り返りを通じて、PDCAサイクルを回し続けることが、長期的な成長につながります。

フィードバック

効果的なフィードバックは、新人の成長を加速させるために重要です。改善点は冷静に、具体的な事実に基づいて指摘し、その改善方法も明確に伝えることが大切です。また、「良かった点」と「改善点」をバランスよく伝えることで、建設的な議論が生まれ、新人が前向きに受け止めやすくなります

定期的に振り返りを行うことで、継続的な改善が可能になります。また、短期的な目標の達成状況を確認するとともに、次のアクションプランを共に考えることが効果的です。

項目アクション目的
感情的にならない事実に基づいて冷静に指摘フィードバックが受け入れやすくなる
良かった点を伝える成果や努力した点を具体的に伝えるモチベーションを高める
改善点を伝える具体的な問題と解決策を伝える明確な改善方法を示す
バランスよく伝える良い点と改善点を両方伝えるポジティブに受け取られやすくする
定期的に振り返る定期的な進捗確認と次のアクションを考える継続的な改善と成長を促す
双方向のコミュニケーション新人の意見や気づきを引き出す自己改善と主体的な成長を促す

フィードバックは一方的に与えるものではなく、双方向のコミュニケーションであることを意識することが重要です。新人自身の気づきや考えを引き出し、主体的な改善につなげることが、真の成長につながります。

目標と成果の確認

目標の達成状況を振り返る際は、単に「できた/できなかった」という二元論ではなく、「なぜそうなったのか」という原因分析を行うことが大切です。成功要因を特定し、それを強化する方法を考えるとともに、課題があった場合はその解決策と次のアクションを共に考えることが重要です。

振り返りのポイント具体的な確認内容改善へのアプローチ
数値目標の達成度契約件数、売上、新規アポイント数など未達の場合は原因分析と対策を検討
プロセスの質アプローチ方法、提案内容、フォロー状況成功事例との比較、改善ポイントの特定
スキルの向上コミュニケーション力、提案力、交渉力など弱点の強化策を具体的に設定
知識の拡充製品理解度、業界知識、競合情報など追加学習の必要な分野を特定

進捗を可視化することも効果的です。例えば、営業活動や成果をグラフ化して共有することで、新人自身が自分の成長を実感しやすくなります。小さな進歩でも適切に評価し、次のステップへのモチベーションにつなげることが大切です。

営業研修で身につけたいスキル

効果的な営業活動を行うためには、複数のスキルを総合的に身につける必要があります。以下に、営業研修で重点的に育成すべき主要なスキルを説明します。

ビジネスマナー

ビジネスマナーは営業職において顧客から信用してもらうために非常に重要です。第一印象は営業の成否を大きく左右するため、適切なマナーを身につけることは営業の基本中の基本と言えます。

  • 正しい敬語の使い方
  • 名刺交換のルール
  • 訪問時のマナー

これらのマナーを徹底することが、営業成功への第一歩となります。

ヒアリング力

顧客の言葉や態度からニーズを引き出すヒアリング力は、営業の成功において最も重要なスキルの一つです。顧客が明確に述べていない潜在的なニーズを理解し、それに対する最適な提案を行うことが、競合との差別化につながります。

ヒアリング力が必要な理由
顧客自身が自分のニーズを明確に理解していないことが多いため、適切な質問を使って顧客が気づいていない課題を引き出し、そこに価値を提供することが大切です。

質問の種類
ヒアリング力を高めるためには、質問を上手に使い分けることが重要です。

  • はい/いいえで答えられる質問
    → 具体的な情報や確認を取るために有効
  • 詳細な回答を引き出す質問
    → 顧客が深く考えるきっかけを作り、隠れたニーズや課題を明らかにするのに有効

傾聴の姿勢
相手の話を遮らず、しっかりと聞くことが大切です。顧客が何を本当に求めているのかを理解するためには、積極的な傾聴が必要です。

実際の営業シーンを想定したロールプレイングや、先輩社員の商談を観察することで、効果的なヒアリングの技術を学ぶことができます。

プレゼンテーション力

提案内容をわかりやすく、魅力的に伝えるプレゼンテーション力は、営業活動において欠かせないスキルです。どれほど優れた製品やサービスであっても、それを効果的に伝えられなければ、顧客の心を動かすことはできません。

効果的なプレゼンテーションのためには、わかりやすい資料作成と自信を持った話し方の両方が求められます。プレゼンテーションは単なる情報伝達ではなく、「なぜこの製品が必要なのか」「どのように課題を解決するのか」「導入後にどのような効果が期待できるのか」という流れで、顧客の課題解決のストーリーを語ることが重要です。

ポイント理由
わかりやすい資料作成資料は視覚的に整理し、要点を明確に伝えることが重要。
自信を持った話し方明瞭な発声、適切なスピード、抑揚をつけて話すことがポイント。
顧客視点のストーリー「なぜこの製品が必要か」「どう解決するか」「導入後の効果」を顧客目線で伝える。
練習と準備顧客の特性をリサーチし、プレゼンをカスタマイズ。質問や反論に対する準備も必須。

練習と準備が成功の鍵となります。事前にターゲット顧客の特性や関心事を十分に研究し、それに合わせたカスタマイズされたプレゼンテーションを準備し、想定される質問や反論にも備え、それに対する回答も準備しておくことが重要です。

問題解決力

顧客が抱える課題やニーズに対して最適な解決策を提案するスキルは、真の営業力の核心部分です。単に製品を売り込むのではなく、顧客の問題を理解し、それを解決するパートナーとしての立場で提案することが重要です。

問題解決力を発揮するためには、まず顧客の業界や事業についての理解を深め、一般的な課題やトレンドを把握しておくことが必要です。また、自社製品やサービスの特徴を熟知し、それがどのような課題解決に適しているかを明確に説明できることも重要です。

問題解決のプロセスにおいては、上の図のように段階的にアプローチすることが効果的です。顧客と共に問題解決を進めるというスタンスが、長期的な信頼関係の構築につながります。

自己管理能力

モチベーションを維持し、ストレスをうまく処理しながら成果を上げる自己管理能力は、営業職において重要です。営業は断られることが日常茶飯事であり、そのような状況でも前向きな姿勢を保ち続けることが求められます。

何がうまくいったのか、改善できるのかを客観的に分析し、次の行動計画に反映させるサイクルを作ることで、継続的な成長が可能になります。また、「ノー」を「次の機会への準備」と捉える心の持ち方や、成功体験を大切にするポジティブ思考が、長期的な成功につながります。

営業を教える立場としてやってはいけないこと

営業指導者として効果的な育成を行うためには、避けるべき行動やアプローチがあります。以下に、営業を教える立場として特に注意すべきポイントを説明します。

ほったらかしにする

新人営業マンをサポートなしで現場に放置することは、最も避けるべき指導方法です。営業は経験を重ねることが重要ですが、適切な指導やフィードバックがなければ、経験から学ぶことは難しくなります。

特に入社直後の新人は、基本的な業務フローや商談の進め方に不安を抱えています。この時期に適切なサポートがなければ、不安や挫折感から早期の離職につながる可能性があります。

効果的なのは、段階的に自立を促す「フェードアウト」型の指導です。最初は密にサポートし、徐々に自立して活動できる範囲を広げていくアプローチが、新人の成長と自信につながります。定期的なチェックとフィードバックを行いながら、少しずつ自立を促していくバランスが重要です。

時期具体的な指導内容
入社1ヶ月目同行営業中心、基本スキルのトレーニング
入社2-3ヶ月目一部の業務を任せる、定期的なフィードバック
入社4-6ヶ月目個別案件の担当、週次でのフォロー
入社7-12ヶ月目自立的な営業活動、月次でのフォロー

新人の成長段階に合わせて適切なサポートを提供することが、効果的な育成の鍵となります。放置するのではなく、必要な時に必要なサポートを提供できる体制を整えることが重要です。

一方的な指示だけで終わらせる

ただ命令するだけでは効果的な指導にはなりません。一方的な指示は、新人の主体性や創意工夫を奪い、単なる作業者にしてしまう危険性があります。

ポイント目的
改善点のフィードバック部下に自分の意見を聞き、対話を重ねることで主体的な学びを促す。
考えさせる質問「なぜその行動を取ったのか」「どうすれば良かったか」を問いかけ、部下に考えさせる。
指示に理由を説明「なぜそうすべきか」を説明することで、意味のある行動として理解され、応用力が身につく。

新人の意見や提案に耳を傾け、良いアイデアは積極的に取り入れることも重要です。対話を通じて相互理解を深め、信頼関係を構築することが、長期的な成長につながります。

過度に干渉しすぎる

部下が自分で考えて行動できるようにすることが、成長を促す上で重要です。過度に細かく指示を出したり、すべてを監視したりするのは、部下の自信を失わせ、依存心を高める結果となります。

特に営業は、顧客との関係構築や商談の進め方など、状況に応じた臨機応変な対応が求められる職種です。マニュアル通りではなく、自分で考えて行動する力を育てることが、真の営業力の養成につながります。

適切な距離感を保ちながら見守り、必要な時だけサポートする「見守り型指導」が効果的です。失敗しても即座に介入するのではなく、失敗から学ぶ機会を与えることも重要です。ただし、取り返しのつかない大きな失敗につながる可能性がある場合は、適切なタイミングで介入することも必要です。

曖昧なフィードバックをする

フィードバックは具体的で建設的であることが重要です。「もう少し頑張りましょう」「もっと良くなるといいですね」といった曖昧な表現では、何をどう改善すべきかが伝わりません。

改善点や成功した点を明確に伝え、次はどう行動すれば良いかを示してあげることが大切です。例えば、「プレゼンの冒頭で顧客の課題に触れられていたのは良かった。次回は具体的な数字も入れるとより説得力が増すでしょう」といった具体的なフィードバックが効果的です。

また、ネガティブなフィードバックだけでなく、ポジティブなフィードバックも積極的に行うことが重要です。良い行動を強化することで、より効果的な成長につながります。

成功事例の押し付けをする

営業の方法やアプローチは一人一人に合ったやり方があるため、自分のやり方が必ずしも全員にとって最適だということはありません。個々の個性や強みを活かした営業スタイルを尊重することが大切です。

指導者は、「正解を教える人」ではなく、「成長を支援する人」という立場で接することが大切です。新人自身が自分の強みを発見し、それを活かした営業スタイルを確立するプロセスをサポートすることが、真の指導者の役割です。

まとめ

新人の悩みを理解し、適切なサポートを提供することが、早期の戦力化と定着率向上につながります。知識不足や上司とのコミュニケーション不足といった一般的な悩みに対して、体系的なアプローチで対応することが重要です。

やる気のない新人に対しては、その根本原因を理解し、チームでのサポートや達成感の創出など、状況に応じた対策を講じることが効果的です。一人ひとりに合ったアプローチで、潜在的な能力を引き出しましょう。

弊社は、営業に不安がある企業様をサポートし、成果を上げるお手伝いをいたします。毎月の研修を通じて、スキルアップや新たな気づきを得たい方に最適な機会を提供しています。まずは、お気軽にご相談ください。