営業メールは、現代のビジネスシーンにおいて重要なツールであり、活用次第で商談の可能性を大幅に広げることができます。適切なタイミング、丁寧な文面作成、ターゲットのリサーチなど、細部にまで配慮することで、メール営業は見込み顧客の獲得や既存顧客の関係深化に影響を与えることができます。
営業メールとは
営業メールとは、商品やサービスを顧客に提案・販売する目的で送るビジネスメールです。相手のニーズに合わせた内容を簡潔に伝え、関心を引き、アクションを促すことが重要です。一般的には、信頼感を築くためのパーソナライズや、メリットを明確に伝えることが求められます。
ビジネスにおいて重要なコミュニケーションツールである営業メールは、見込み顧客や既存顧客との関係構築に欠かせません。単なる情報発信にとどまらず、商談につながる重要な営業活動の一環として位置づけられています。 デジタル化が進む現代のビジネスシーンでは、対面営業と並んで効果的なアプローチ方法として注目を集めています。適切な戦略と丁寧な文面作成により、高い成果を上げることが可能です。
営業メールのメリット・デメリット
営業メールには、ビジネスを効率的に進める上で様々な特徴があります。コストパフォーマンスの高さは大きな魅力ですが、その一方で克服すべき課題も存在します。
メリット | デメリット |
---|---|
コストが低い | 相手に無視される可能性がある |
広範囲にアプローチができる | パーソナライズが不足しがち |
時間・場所を選ばず送信可能 | スパム扱いされるリスクがある |
効果測定が簡単 | レスポンスが遅れることがある |
パーソナライズが可能 | 受信者が疲れる可能性がある |
相手に確実に届け、読んでもらうためには、上記の表をみて十分理解した上で活用することが重要です。 実際の現場では、メールマーケティングツールの活用により、開封率や反応率を測定しながら効果検証を行うことができます。データに基づいて改善を重ねることで、より効果的な営業活動が実現できるでしょう。
電話営業・訪問営業との違い
メール営業の他に電話営業や訪問営業と様々な営業手法があります。
電話営業は、電話を通じて迅速に顧客にアプローチできる方法であり、訪問営業は、直接顧客と対面で信頼関係を築きながら提案を行う方法です。
以下は、メール営業・電話営業・訪問営業の特徴と具体的な手法を比較した表です。
営業手法 | 特徴 | 具体的手法 |
---|---|---|
メール営業 | 低コストで広範囲にアプローチできる。時間を選ばずに送信可能。 | 1. 顧客のニーズに合った内容でメールを作成。 2. 件名で関心を引く。 3. 目立つCTA(行動を促すボタン)を配置。 4. フォローアップメールを送信。 |
電話営業 | 直接対話でき、即時に反応を得られる。顧客の反応を素早く確認できる。 | 1. 初対面の場合は自己紹介と目的を簡潔に伝える。 2. 相手のニーズや悩みを引き出す質問を投げかける。 3. 反論に対して適切に対応。 4. 次のステップを明確にする。 |
訪問営業 | 顧客との対面で信頼関係を築きやすい。商談の詳細を直接伝えやすい。 | 1. 顧客のニーズや業界を事前にリサーチ。 2. 初対面でも安心感を与えるプレゼンを用意。 3. 顧客の状況に合わせた提案を行う。 4. 質問や反論に対応。 |
メール営業では、一度に多数の顧客にアプローチが可能で、コストが圧倒的に低い特徴があります。一方で誰しもがメール営業を行うため開封されない可能性も高いです。
電話営業では、声のトーンで印象づけることができまた即座に自社商品・サービスに対するニーズを探ることが出来ます。しかし電話をする際の時間帯や突然の連絡をする申し訳なさを電話口で伝えるなど工夫が必要になります。
訪問営業では、直接担当者とお会いすることが可能になるため信頼関係を築きやすい特徴があります。一方でアポイント設定が事前に必要かつ1日の訪問件数に限りがあるためGooglemapなどを用いて、効率よく回ることが成約率を上げるために重要な行動です。
営業メールのテンプレート

営業メールはいかに開封して読んでもらえるかが重要になります。その場面に合わせた件名などを工夫すると興味付けを行うことができます。営業メールのテンプレートを様々な場面に活用できるよう6つ用意しました。場面によって送信する内容が異なりますので一度チェックしてみてください。
- 新規開拓の営業メール
- アポ取り・日程調整の営業メール
- 既存顧客に向けた営業メール
- 商談時のフォローメール
- セミナーの営業メール
- 仕事くださいメール
新規開拓の営業メール
このテンプレでは、ご提案内容を具体的かつ簡潔に伝えることを重視しています。また、相手が興味を持ちやすいよう、導入メリットや提案の目的を明確にしましょう。
ポイント
- 相手の課題やニーズに焦点を当てる
- 簡潔かつ具体的な提案内容を伝える
- 行動を促す明確なアクションを提示する
件名: 【〇〇に関するご提案】貴社の課題解決をサポートします
〇〇株式会社
ご担当者様
突然のご連絡を失礼いたします。
株式会社○○の△△と申します。
この度は、貴社の〇〇業務の効率化や課題解決に向けたご提案のため、ご連絡を差し上げました。
弊社は、〇〇に特化した製品・サービスを提供しており、導入により「〇〇の削減」「〇〇の改善」など具体的な効果が期待されます。
もしご興味をお持ちいただけるようでしたら、貴社の状況に合わせた詳細なご説明をさせていただきたく存じます。
短時間でも構いませんので、オンラインまたは訪問でお打ち合わせの機会をいただけないでしょうか。
詳細情報は、添付の資料(PDF)をご参照ください。ご質問やご不明点がございましたら、以下の連絡先までお気軽にご連絡ください。
お忙しい中恐縮ですが、ぜひご検討いただけますと幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。
署名
アポ取り・日程調整の営業メール
アポ取りや日程調整を目的とした営業メールのテンプレートをご提案します。簡潔で読みやすく、相手の負担を最小限に抑える内容を意識しましょう。
- 簡潔で具体的な目的を伝える
- 柔軟で複数の候補日時を提示する
- 相手の負担を軽減する配慮
件名: 【ご提案のご相談】お打ち合わせのお願い 〇〇株式会社 ご担当者様 突然のご連絡を失礼いたします。 株式会社○○の△△と申します。
この度、貴社の〇〇業務に関してお役立ちできる可能性があると思い、ご提案のご相談をさせていただきたくご連絡を差し上げました。
弊社では〇〇(製品・サービス)を提供しており、多くの企業様で「〇〇の効率化」や「〇〇の課題解決」に貢献しております。 貴社においても同様の効果が期待できるのではないかと考えております。
つきましては、具体的な内容を直接お伝えするため、以下の期間でお打ち合わせのお時間をいただけないでしょうか。
「候補日時」
- ○月○日(〇)〇〇:〇〇~〇〇:〇〇
- ○月○日(〇)〇〇:〇〇~〇〇:〇〇
- ○月○日(〇)〇〇:〇〇~〇〇:〇〇
※他のご都合の良い日時がございましたらお知らせください。オンライン(Zoom、Teams等)での対応も可能です。
お忙しい中恐縮ですが、ぜひご検討いただけますと幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。
署名
既存顧客に向けた営業メール
既存顧客に向けた営業メールは3種類あります。以下の種類によってアプローチ方法が異なります。既存顧客に対して何をするべきなのかを踏まえ既存顧客にメールを送りましょう。
- クロスセルの場合
- アップセルの場合
- 現状ヒアリングの場合
クロスセルの場合
- 既存サービスとの組み合わせによる導入メリットを強調する
- 簡潔で魅力的な提案内容
- 柔軟な対応を示す
クロスセルの場合、今使っていただいてるサービスとの組み合わせを行うことによる導入メリットを伝えることが重要です。
件名: 【ご提案】貴社業務にさらなるお役立ちができる新サービスのご案内
〇〇株式会社
ご担当者様
いつもお世話になっております。株式会社○○の△△です。
平素より弊社〇〇(既存商品/サービス)をご利用いただき、誠にありがとうございます。
本日は、〇〇をご利用中の企業様に特にご好評をいただいております、【新サービス/関連商品】についてご案内させていただきたくご連絡いたしました。
新しくご提案する〇〇は、現在お使いいただいているサービスと組み合わせていただくことで、以下のような効果が期待できます:
- 効果例1
- 効果例2
詳細な資料を添付しておりますので、ご確認いただければ幸いです。
また、簡単なご説明や導入事例の共有をご希望でしたら、お打ち合わせのお時間をいただけますと幸いです。
【候補日時】
- ○月○日(〇)〇〇:〇〇~〇〇:〇〇
- ○月○日(〇)〇〇:〇〇~〇〇:〇〇
どうぞご検討のほど、よろしくお願いいたします。
アップセルの場合
- 追加機能や効果を強調する
- キャンペーンや割引の活用
- 柔軟なアクションを提案する
アップセルの場合、追加機能を入れることによるメリットを伝えましょう。また、キャンペーンなどを伝えることによる導入へのハードルを下げることができます。
件名: 【お得なアップグレードのご提案】
〇〇株式会社
ご担当者様
いつもお世話になっております。株式会社○○の△△です。
平素より弊社〇〇(既存商品/サービス)をご利用いただき、誠にありがとうございます。
本日は、〇〇の上位プラン【または上位モデル/サービス】についてのご提案でご連絡を差し上げました。
【上位プラン】では、以下のような追加機能や効果が期待できます:
- 追加機能1
- 追加機能2
特に貴社の〇〇業務においては、さらなる効率化やコスト削減が見込めるかと存じます。
現在、【キャンペーン/特別割引】を実施しており、〇〇までにお申込みいただける場合、〇〇%の割引価格にてご提供が可能です。
詳細をご説明するため、ぜひ一度お打ち合わせの機会をいただければ幸いです。候補日時を以下に記載しておりますので、ご都合の良い日時をお知らせいただけますでしょうか。
【候補日時】
- ○月○日(〇)〇〇:〇〇~〇〇:〇〇
- ○月○日(〇)〇〇:〇〇~〇〇:〇〇
引き続き、よろしくお願いいたします。
現状ヒアリングの場合
- サービス向上の目的を明確に伝える
- 具体的なヒアリング内容を示す
- 手軽なヒアリング方法を提案する
ヒアリングをメールで行う場合、「弊社ではサービス向上を目的に」と背景を伝えることでより御社の力になっていきたいと伝えることが可能です。
件名: 【ご利用状況のヒアリングのお願い】
〇〇株式会社
ご担当者様
いつもお世話になっております。株式会社○○の△△です。
平素より弊社〇〇(既存商品/サービス)をご利用いただき、誠にありがとうございます。
本日は、〇〇のご利用状況や、現在のご満足度・課題感などについてお伺いしたくご連絡を差し上げました。
現在、弊社ではサービス向上を目的に、既存のお客様から直接ご意見をいただく取り組みを進めております。
貴社において、〇〇をご利用いただく中での現状や、より便利にお使いいただくための改善点について、率直なご意見をお聞かせいただければ幸いです。
つきましては、以下の候補日時で15~30分ほどお時間をいただけませんでしょうか。
【候補日時】
- ○月○日(〇)〇〇:〇〇~〇〇:〇〇
- ○月○日(〇)〇〇:〇〇~〇〇:〇〇
オンライン(Zoom、Teamsなど)での対応も可能ですので、お気軽にお申し付けください。
貴重なご意見を参考に、今後のサービス改善に役立ててまいります。
どうぞよろしくお願いいたします。
商談時のフォローメール
商談時のフォローメールは2種類あります。商談前にメールをお送りすることで**リマインドになり、商談に遅れる確率が下がります。**商談後にお送りするメールには、サービスメリットを再度お伝えすることで担当者はサービスの特徴を忘れにくくなります。
- 商談前
- 商談後
商談前の場合
件名には、リマインドを入れましょう。件名には会社名や名前を記載するのではなく、目的を入れることによって担当者がメールを読むキッカケになります。
- 件名に目的を明記する
- 商談の詳細を再確認する
- 事前資料の提供を提案する
件名: 【リマインド】明日のご商談について
〇〇株式会社
ご担当者様
お世話になっております。株式会社○○の△△です。
先日はお忙しい中、商談のお時間をいただきましてありがとうございます。
念のため、明日の商談について詳細を再度お知らせいたします。
【商談日時】
○月○日(〇)〇〇:〇〇~〇〇:〇〇
【商談方法】
- 対面の場合: ○○(場所の住所)
- オンラインの場合: 以下のURLよりご参加ください[Zoom/Teamsなどのリンク]
【議題】
- ○○についてのご提案
- 貴社の現状課題と解決策のご共有
事前にご確認いただける資料などがあれば、こちらからお送りすることも可能ですので、必要な場合はお気軽にお申し付けください。
どうぞよろしくお願いいたします。
商談後の場合
商談後にお送りするメールには、サービスメリットをお伝えし、次回アクションなどをいれるとよりいいでしょう。
- サービスのメリットを再度強調する
- 次のアクションを明確にする
- さらなる質問への対応を示す
件名: 【お礼】本日はありがとうございました
〇〇株式会社
ご担当者様
本日はお忙しい中、貴重なお時間をいただき誠にありがとうございました。
ご商談の中でご紹介させていただきました【商品/サービス名】について、再度簡単に要点をまとめてお伝えさせていただきます。
【ご提案内容】
- ○○を導入することで期待できるメリット:
- メリット1
- メリット2
【次のステップ】
- (例)追加の資料をお送りする
- (例)次回の詳細なデモをご案内
また、より詳しい情報やご質問がございましたら、いつでもご連絡ください。
引き続き、貴社のお役に立てるよう尽力してまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
セミナーの営業メール
セミナーの営業メールには、2種類あります。どちらのテンプレートも、開催内容やフォローアップを細かく調整してお使いください。
- セミナーの開催の案内メール
- セミナー後のお礼メール
セミナー開催の案内メール
セミナー開催の案内メールには、どんな目的で開催されるのかを入れましょう。また開催日時や申込リンクを入れることにより読者の導線を作ることができます。
- セミナーの目的とテーマを明確に伝える
- 参加方法を簡潔に案内する
- セミナーの見どころを伝える
件名: 【参加無料】〇〇セミナー開催のご案内
〇〇株式会社
ご担当者様
お世話になっております。株式会社○○の△△です。
この度、貴社の業務に役立つ情報をご提供するため、以下のセミナーを開催いたします。
今回のセミナーでは、【テーマ】を中心に、最新トレンドや具体的なソリューションについてご紹介します。
【セミナー概要】
- タイトル: ○○が解決する△△の課題
- 日時: ○月○日(○)〇〇:〇〇~〇〇:〇〇
- 開催方法: (対面の場合)会場名・住所 / (オンラインの場合)Zoomリンク
- 参加費: 無料
- 対象: (例)〇〇業務に携わる方、△△に課題を感じている方
【お申し込み方法】
以下のURLよりお申し込みください:
[申し込みリンク]
【セミナーの見どころ】
- 見どころ1: 実例をもとに〇〇を解説
- 見どころ2: 専門家によるトークセッション
ぜひこの機会に、貴社の業務改善や新たな可能性を見つけていただければ幸いです。
ご不明点がございましたら、いつでもお気軽にお問い合わせください。
皆様のご参加を心よりお待ちしております。
セミナー後のお礼メール
セミナー後のお礼メールには資料のダウンロードリンクを入れることにより丁寧な印象を与えることができます。
- 参加のお礼を伝える
- 資料ダウンロードリンクを提供する
- 今後のサポートや相談を促す
件名: 【お礼】〇〇セミナーにご参加いただきありがとうございました
〇〇株式会社
ご担当者様
この度は、弊社主催の〇〇セミナーにご参加いただき、誠にありがとうございました。
お忙しい中ご参加いただきましたこと、心より感謝申し上げます。
セミナー中にご紹介した内容が、貴社の業務に少しでもお役に立てれば幸いです。
もしセミナー資料やその他の情報をご希望の場合は、以下よりダウンロードいただけます。
[資料ダウンロードリンク]
また、ご質問やご相談がございましたら、いつでもお気軽にご連絡ください。
貴社の〇〇における課題解決に向けて、さらにお力添えできればと考えております。
引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。
仕事くださいメール
フリーランスと会社員で立場や伝え方が異なりますので以下参考にしてみてください。
- フリーランスの場合
- 会社員の場合
フリーランスの場合
- 自己紹介と専門分野を明確にする
- 過去の実績を具体的に示す
- 次のアクションを促す
件名: 【ご相談】お仕事のご依頼について
〇〇株式会社
ご担当者様
突然のご連絡を失礼いたします。
私は〇〇を専門に活動しております、フリーランスの△△と申します。
現在、貴社の〇〇領域でのご支援をさせていただける機会を探しており、ご連絡差し上げました。
これまでの経験としましては、以下のようなプロジェクトに携わってまいりました:
- 実績1: (例)△△の開発・運用支援
- 実績2: (例)〇〇の改善提案および実行
私のスキルや経験が、貴社の〇〇プロジェクトに貢献できるのではないかと考えております。
もしお力になれる分野がございましたら、詳細をお伺いし、ご提案させていただければ幸いです。
簡単なポートフォリオや実績資料を添付しておりますので、ぜひご確認いただければと思います。
ご検討のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。
お時間いただける場合は、ぜひお話をさせていただければ幸いです。
何卒よろしくお願いいたします。
会社員の場合
- 魅力的な件名
- 簡潔で有益な要旨
- 明確な次のアクション
件名: 【ご提案】貴社への〇〇支援について
〇〇株式会社
ご担当者様
お世話になっております。株式会社△△の□□と申します。
現在、弊社では〇〇分野において、新たな提案活動を強化しております。
貴社の業務や課題についてリサーチさせていただいたところ、弊社の以下のサービスがご支援できるのではないかと感じました。
【ご提案内容の概要】
- サービス1: (例)業務効率化ツールの導入支援
- サービス2: (例)マーケティング戦略の改善提案
弊社では、〇〇業界での多数の成功実績があり、直近では△△の分野で〇%の効率化を実現しております。
もしご興味をお持ちいただけましたら、詳細なご提案書をご用意し、具体的なお話をさせていただきたく存じます。
貴社のさらなる発展の一助となるよう、誠心誠意努めてまいります。
お忙しい中恐れ入りますが、ご検討いただけましたら幸いです。
何卒よろしくお願い申し上げます。
営業メールの書き方・項目

営業メールの書き方・重要な項目について6つ紹介いたします。
先程紹介したテンプレですが自分でメールを作成する必要も出てくると思いますので以下にて抑えておくべきポイントについて解説します。以下を気を付けることでメールの開封率が高まる可能性があります。
- 開封したくなる件名
- 自己紹介と問い合わせの経緯
- 簡潔な要旨
- 相手に有益な自社のサービス情報
- ネクストアクションを記載した結び
- 詳細な署名
開封したくなる件名
件名は営業メールの「顔」とも言える重要な要素です。受信者の目に留まり、開封してもらうためには、以下のような工夫が効果的です。
■効果的な件名の特徴
・具体的な数値や成果を含める
・相手企業の課題に言及する
・期限や特典を明確に示す
・個別化された内容であることを示唆する
「御社の課題解決につながる提案」といった漠然とした件名ではなく、**「製造コスト20%削減の実績をご紹介」のように、具体的な数値やメリットを示すことで開封率が向上します。**ただし、過度に刺激的な表現やクリックベイト的な文言は、かえって信頼を損なう可能性があるため注意が必要です。
自己紹介と問い合わせの経緯
メール本文の冒頭では、送信者の信頼性を確立することが重要です。簡潔かつ効果的な自己紹介により、受信者の興味を引き出し、続きを読むモチベーションを高めることができます。 たとえば、「●●業界で15年の実績を持つ△△社の山田と申します。御社のウェブサイトで課題に関する記事を拝見し、弊社のソリューションがお役に立てるのではないかと考え、ご連絡させていただきました」といった具体的な経緯の説明が効果的です。
簡潔な要旨
ビジネスパーソンは日々多くのメールを受信します。そのため、メールの主旨は最初の数行で明確に伝える必要があります。
■効果的な要旨の構成要素
・提案の核心を1-2文で説明
・具体的な数値やデータによる裏付け
・想定される成果の明確な提示
「弊社のシステム導入により、在庫管理工数を平均40%削減できる事例が複数ございます」といった具体的な表現により、読み手の関心を高めることができます。
相手に有益な自社のサービス情報
製品やサービスの説明は、相手企業にとっての具体的なメリットを中心に構成します。一般的な機能説明ではなく、導入による効果や、他社での成功事例を交えることで説得力が増します。
■効果的な情報提供の要素
・具体的な導入効果
・類似業界での成功事例
・差別化ポイントの明確な説明
・費用対効果の具体的な提示
たとえば、類似業界での成功事例を伝えることにより、「自社も成功する」と安心感を与えることが可能です。また費用対効果を気にする会社がほとんどですので明確に伝えることで導入へのハードルをぐっと下げることができるでしょう。
ネクストアクションを記載した結び
メールの締めくくりには、必ず具体的な行動提案を含めます。「詳しい説明をさせていただければ」という曖昧な表現ではなく、「下記カレンダーから、ご都合の良い日時をお選びください」といった具体的なアクションを示すことが重要です。
■効果的なクロージングの例
・オンライン商談の日程調整リンク
・資料請求
人は、そのサービスや商品に対してそこまでの興味がない場合、ネクストアクションの記載がなければ行動を促進することはできないに等しいです。興味を少しでも持ってくれた場合、次回行動ができるよう、オンライン商談の日程調整リンク・資料請求リンクを用意しましょう。
詳細な署名
プロフェッショナルな印象を与える署名は、信頼性の向上に貢献します。
署名に含めるべき情報 | 補足説明 |
---|---|
氏名・役職 | 日本語と英語の併記が望ましい |
会社名・部署 | 正式名称を使用 |
連絡先情報 | 電話番号、メールアドレス |
会社URL | コーポレートサイト、サービスサイト |
SNSリンク | 公式アカウントがある場合 |
所在地 | 本社または営業所の住所 |
今日では、署名に会社のWEBサイトやブログなどのリンクを記載されている会社様も多い傾向にあります。
心に響くメールを書くポイント
心に響くメールを書くポイントは3つあります。以下3つのポイントを入れることにより開封率はもちろん、返信率が高くなる可能性があるのでぜひメールに入れてみてください。
- 顧客企業や業界をリサーチする
- エピソードを盛り込む
- 自分の感想を述べる
顧客企業や業界をリサーチする
効果的な営業メールの作成には、綿密な事前リサーチが不可欠です。表面的な情報収集ではなく、以下のような深い理解を目指します。
リサーチ項目 | 具体的な内容 | 活用方法 |
---|---|---|
企業の最新動向 | 決算情報、プレスリリース、新規事業展開 | 「御社の●●事業における△△の課題解決に貢献できます」 |
業界トレンド | 市場規模、競合状況、規制動向 | 「業界全体で直面している●●の課題に対し、すでに△社様で実績があります」 |
経営課題 | 中期経営計画、IR資料での言及事項 | 「御社の重点課題である●●の効率化について、具体的なご提案があります」 |
このように具体的な情報を織り交ぜることで、テンプレートメールとの差別化が図れ、受信者の関心を引くことができます。
エピソードを盛り込む
過去の接点を活かしたパーソナライズされた内容は、メールの開封率と反応率を大きく向上させます。
効果的なエピソード活用例
・「先日の展示会でご説明した●●について、具体的な導入事例をご紹介させていただきます」
・「昨年のセミナーでご質問いただいた△△の件について、新たなソリューションをご用意しました」
・「御社の◇◇様からご紹介いただき、ご連絡させていただきました」
このように接点があるとお伝えすることで親近感や相手に信頼できる印象を与えることが可能です。また、以前お話したと過去のことを伝えることにより、覚えていてくれたことに嬉しさを覚える担当者もいるでしょう。
自分の感想を述べる
ビジネスライクな文面に個人的な見解を適度に織り交ぜることで、メールに温かみが生まれます。
感想の種類 | 効果的な例文 | 期待される効果 |
---|---|---|
純粋な関心 | 「御社の取り組みに深く共感し、ぜひお力添えさせていただきたいと考えております」 | 誠実さの伝達 |
業界予測 | 「今後の●●市場において、△△への対応が競争力の鍵になると考えております」 | 専門性の表現 |
個人的経験 | 「似た課題を抱えていた◇◇社様との取り組みで、具体的な成果を実感しました」 | 親近感の醸成 |
セミナーに参加や会社の情報を知ったことで純粋な興味が生まれたときに、上記の例文などを織り込むことにより期待される効果が変わります。
例文を用いてメールでの営業活動を行ってみるといいでしょう。
営業メールの作成・送信の際の注意点
営業メールの作成や送信をする際に注意点が5つあります。注意点に気を付けることで丁寧な印象を与えることが出来るでしょう。また、すぐ返信を行うことで信頼を得ることが出来ます。
- 文章表現をチェックする
- 添付資料に言及する
- 曜日・時間に気を付ける
- 頻度を調整する
- すぐ返信する
文章表現をチェックする
プロフェッショナルな印象を損なう表現ミスは、ビジネスチャンスを逃す原因となります。
よくある間違い | 正しい表現 | 解説 |
---|---|---|
「拝見しましたか?」 | 「ご覧いただけましたでしょうか」 | 命令口調を避け、丁寧な表現を使用 |
「してくれますか?」 | 「していただけますでしょうか」 | 謙譲語を適切に使用 |
「お返事待っています」 | 「ご検討いただけますと幸いです」 | 押しつけがましい表現を避ける |
「御社の利益になります」 | 「御社の課題解決にお役立てできると考えております」 | 断定的な表現を避ける |
「すぐにご連絡ください」 | 「ご都合の良いタイミングでご連絡いただけますと幸いです」 | 相手の立場を考慮した表現を使用 |
敬語一つですが、間違えてしますと適当な印象を相手に与えてしまいます。まずは第一印象が大事なので敬語の間違いには気をつけましょう。
添付資料に言及する
資料添付の際は、受信者の立場に立った丁寧な説明を心がけます。
添付資料の言及ポイント
・「別添の資料(全10ページ)の3ページ目に、導入効果の具体例を記載しております」
・「製品仕様書(PDF)には、御社でご活用いただけそうな●●機能について詳しく記載しております」
・「参考資料として、同業他社での導入事例(5分程度でお読みいただけます)を添付させていただきました」
添付資料に言及することでより自分にとって重要な情報が入っているのではないかと思わせることが可能です。興味付けを行うためにも添付資料に言及しましょう。
曜日・時間に気を付ける
メールの送信タイミングは、開封率に大きく影響します。
送信タイミング | 推奨度 | 理由 |
---|---|---|
平日午前中(9-11時) | ◎ | メール処理時間帯と合致、集中力が高い |
平日午後(14-16時) | 〇 | 午後の業務開始後、比較的余裕がある時間帯 |
月曜早朝 | △ | 週初めの業務集中時期と重なる |
金曜午後 | × | 週末モードで重要メールを見逃す可能性 |
基本的に平日の午前中にメールを送信するのがよいでしょう。内容が良くても開封してもらわなければ意味がないものになってしまいます。
不動産業界は火曜水曜が営業していないので週始まりの木曜日に送るとよいでしょう。業界によっても異なりますので送信タイミングは業界によって注意しましょう。
頻度を調整する
適切なフォローアップは重要ですが、過度な連絡は逆効果となります。
■効果的なフォローアップの原則
・初回メールから3営業日後を目安に1回目のフォロー
・2回目のフォローは1週間後程度
・最大3回までを目安とし、その後は別のアプローチを検討
・季節のご挨拶など、自然な接点を活用したコミュニケーション
返事が来ないからと言って何度もメールを送ってしまうのはとても押しつけがましく感じられてしまいます。良いメールを送信しても前のイメージが悪いと開封してもらえないものです。
しかし、全く連絡を取らないのも忘れられてしまうリスクもあるため、フォローアップの原則を読み定期的に接点を持ちましょう。
すぐ返信する
ビジネスコミュニケーションにおいて、迅速な返信は信頼関係構築の基本となります。
対応のタイミング | 推奨される対応 | 理由 |
---|---|---|
即時(1時間以内) | 受信確認の返信 | 相手への誠実さの表現 |
当日中 | 具体的な回答・提案 | 商談モメンタムの維持 |
翌営業日以降 | お詫びと経過報告 | 信頼関係の維持 |
すぐ返信をすることで自分への信頼を得ることが出来ます。対応によって、メールを送信するタイミングが異なるので注意しましょう。
メールを活用した新規開拓営業
新規開拓営業においてメールは非常に効果的なツールとなります。適切な戦略と運用により、効率的な見込み客の発掘が可能です。
新規開拓メール戦略のポイント | 具体的な実践方法 | 期待される効果 |
---|---|---|
ターゲット企業の選定業界 | 企業規模、地域などの条件設定 | 商談成立確率の向上 |
メール文面のカスタマイズ | 企業ごとの課題に応じた内容調整 | 開封率・反応率の向上 |
配信数の最適化 | 1日50-100通程度を目安に段階的に拡大 | 質の維持と量の確保 |
効果測定と改善 | 開封率、クリック率、問い合わせ率の分析 | PDCAサイクルの確立 |
特に初期アプローチの段階では、メールによる大量配信と効果測定の組み合わせが有効です。ターゲットとなる企業や担当者を適切に選定し、カスタマイズされたメッセージを届けることで、新規商談の機会を創出できます。
自動でメールが配信できるツールもあるのでうまく活用ができると営業担当は営業活動に注力しながら見込み顧客の獲得に繋げることが出来ます。詳しくは以下をご覧ください。
問い合わせフォーム営業とは
問い合わせフォームを活用した営業は、メール営業と多くの共通点を持ちながら、独自の特徴も備えています。
項目 | メール営業 | フォーム営業 |
---|---|---|
初期接点 | 営業側から能動的にアプローチ | 顧客側からの自発的なアクション |
情報収集 | 事前リサーチが必要 | フォームで必要情報を直接取得 |
反応率 | 比較的低い(1-3%程度) | 比較的高い(興味関心層が中心) |
フォロー速度 | 送信のタイミングを選択可能 | 即時対応が求められる |
スケーラビリティ | 高い(大量送信可能) | フォーム数に依存 |
コスト効率 | 非常に高い | システム構築費用が必要 |
メール営業とフォーム営業のフォーム併用により、多角的な商談機械を創出することが出来ます。メール文面のノウハウをフォーム後のフォローに活用することで、両チャネルでの顧客データを統合し、より精度の高い営業活動を実現することが可能です。
また、見込み客の発掘はメール営業で、詳細な商談はフォーム経由という具合に、強みを活かした展開が効果的です。開封率や返信率を高めるためには個人の経験やスキルに依存せず、組織として再現性の高い営業プロセスを構築することが重要です。MAツールなどを用い分析を行いましょう。そのためには、成功事例の共有や、標準的なテンプレートの整備が欠かせません。
フォーム営業は、メールの文章を流用することもできるのでぜひ検討してみてください。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
弊社株式会社Sales and Innovation Japanでは、これまで200社以上の営業支援、マーケティング支援を実施してきた経験を活かして、企業様の新規事業立ち上げや販路拡大のご支援をさせていただいております。メールの件名や内容を工夫するだけで開封率は変わってきます。営業方法に不明点がある場合やリソースがない場合など営業でお悩みの際にはお問い合わせお待ちしております。
弊社関連サービス |
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法人営業代行 営業ターゲットのリストアップから、テレアポ、訪問営業、クロージングに至るまで、新規開拓営業の全てのプロセスを営業代行するサービスです。 |